女性の方へ

女性の妊孕性温存について

妊孕性温存のために、必要ながん治療を受けなかったり、がん治療の開始が遅れることは避けなければいけません。また、治療方法によっては、治療による妊孕性の低下をそれほど心配しなくてもよいかもしれません。妊孕性温存を希望する場合は、まずがん治療主治医の先生に相談してください。がん治療主治医の先生の許可がないと、妊孕性温存を行うことはできません。

思春期以降から成人の方

妊孕性温存の方法として、胚(受精卵)、(未授精)卵子凍結保存、卵巣組織凍結保存があります。がん治療までに時間的余裕があるか、婚姻しているかによって方法が異なります。
何歳までの方が凍結対象となるかは40歳未満が目安となりますが、凍結施設ごとに違いがありますので確認して下さい。

小児から思春期前までの方

月経発来前や生殖器が未熟な方の場合は、卵巣組織凍結保存が唯一の方法です。

妊孕性温存の種類

胚(受精卵)の凍結保存
夫や特定の男性パートナーがいる方は1~3週間程度の排卵誘発剤の注射を受けた後、卵巣から卵子を採取し、夫やパートナーの精子と体外受精し、胚(受精卵)の状態で液体窒素内に保存します。将来がん治療主治医の先生の許可がでて妊娠しようと思った時に胚を融解し子宮内に移植します。この方法は、不妊治療の一つとして現在技術的に確立しています。
(未受精)卵子凍結保存
夫や男性パートナーがいない方は、精子と受精させることができないため、1~3週間の排卵誘発剤の注射を受けた後、卵巣から採取した卵子をそのまま液体窒素内に保存します。未受精卵子は、将来精子と受精させてから子宮内に移植します。卵子凍結の技術はほぼ確立されています。
夫や男性パートナーがいる方でも(未受精)卵子凍結も可能です。希望される場合は凍結施設の先生に相談して下さい。
卵巣組織凍結保存
初経前の方、がん治療開始までの時間が短く排卵誘発剤による卵子の採取ができない方の場合、手術によって卵巣(通常は片側のみ)を摘出し、薄く細切した卵巣組織を液体窒素内に保存します。将来必要となった時に再度手術を行って、卵巣組織片を融解してお腹の中に移植します。従って、凍結の時も融解の時も入院・全身麻酔が必要です。
移植した卵巣組織から排卵が起こり、自然妊娠や出産にいたった方もありますが、体外受精・胚移植による不妊治療が必要となることもあります。また、凍結する卵巣組織にがん細胞が残っている場合、それを再移入する危険性が危惧されています。
注)いずれの場合もがん治療前の凍結保存は、将来の妊娠・出産を保証するものではありません。

凍結保存可能な期間

妊娠・出産・育児が可能な“生殖年齢”とされ、一般的には50歳前後と考えられますが、凍結施設ごとに違いがありますので、必ず確認してください。